W&E・RIの活動

3人の会 (上下水道事業の基本的諸問題と今後の対応策)


投資投資金融アドバイザーの工藤克典氏及び元福島県三春町企業局長で総務省地方公営企業等経営アドバイザーの遠藤誠作氏と山村の3人による上下水道事業の基本的諸問題と今後の対応策を論じる企画で、水道公論誌上に2023年3月から8月まで3回にわたって掲載されたもの。
2023年3月号には、工藤氏による「『公営企業の経営のあり方に関する研究会報告書』を踏まえて」が、同5月号には遠藤氏による「公営企業としての上下水道事業の存立要件」が掲載され、同8月号には「ディスカッションと問題点の総括」が掲載された。さらに、2024年2月号及び2024年3月号には、2023年8月号の工藤氏の発言「上下水道事業が地方独立行政法人となれば、経営の自由度が増す」について、工藤氏の執筆による分析が紹介された。



水道公論掲載記事
工藤克典氏 suidokoron2023-3.pdf suidokoron2024.2Kudo.pdf suidokoron2024.3Kudo.pdf
(第1回)2023年3月号,公
営企業の経営のあり方に
関する研究会報告書』を
踏まえて
(第4回)2024年2月号, 水
道事業の経営体制の今後の
在り方について(広域化、官
民連携に加えて)
(第5回)2024年3月号,水道事業の経営体制の今後の在り方について(広域化、官民連携に加えて)の具体的な検討に向けた論点の考察
遠藤誠作氏 suidokoron2023-5.pdf

(第2回)2023年5月号,公
営企業としての上下水道
事業の存立要件
ディスカッション suidokoron2023-8.pdf

(第3回)2023年8月号,デ
ィスカッションと問題点の
総括



ここがポイント(「2023年8月号,ディスカッションと問題点の総括」本文から引用):
山村:「3人の会」という名称は、編集部につけていただきましたが、スタート時点では、会を立ち上げるという大それた意識は無く、工藤さんからの依頼で遠藤さんを紹介して、工藤さんからの質問に遠藤さんの意見を聴かせていただく場としてスタートしました。ちょうど、新型コロナでリモートでの会議が一般化してきた頃でしたので、「折角だからおおむね2か月に一度のペースで続けよう」ということになり、2年ほどが経って、遠藤さんから共同執筆の提案をいただきました。(中略)工藤克典さんは、(中略)大学では法学部に進み、その後は政府系金融機関、民間金融機関等での経験を通じて貿易投資金融関係に加え国の政策の実現への関与等での経験が豊かなことから、技術行政畑を歩いてきた小生とは全く違った経験と視野を持って「外から」の目で水道を眺めておられることが特徴です。遠藤誠作さんは、元福島県三春町企業局長で、2007年以来水道行政の全国的な課題となった「簡易水道統合計画」について、策定の仕方や策定事例について全国簡易水道協議会の研修会で精力的に講演し、上水道と簡易水道の統合などのテーマで雑誌にも数多く執筆され、関係者から高い評価を得ておられる方です。

工藤:私の問題意識は、地方公営企業というもののあり方ということについて、今まであまり議論されてきていないことにあります。地方公営企業で特別会計という現在の経営形態で主体性を持ち当事者意識のある企業性が発揮できるのかということです。総務省の「地方公営企業の経営のあり方に関する研究会報告書」は、地方公営企業というのは、given(所与)の、あたかも正しい存在であるという前提の下にできています。それから、水道公論の2月号に掲載された「上下水道事業経営の過去、現在そして未来」に関する座談会でも地方公営企業のあり方そのものについては、全く議論されていません。
 (中略)本来、第二次世界大戦後にできた地方自治法、地方財政法、地方公営企業法の三位一体での本来の目指していたものが、曲がり角に来ているのではないかということを強く意識したわけです。それを解決するために何が必要か、逆に、一番何が悪いのだろうと考え、「特別会計」という地方自治体から独立しない存在ではないかという思いに至ったわけです。
 「特別会計」は何かというと、国の予算の場合、一般会計と特別会計がありますけれども、それのアナロジーというか、地方自治についても一般会計と特別会計ができて、特別会計は一種の一般会計からの区分経理であって、正式に組織から独立したものではないのですね。同じ組織の中の区分経理したものが特別会計ですけれども、それについて国の場合は2001年に財政投融資改革(財投改革)がありまして、これは郵貯改革とか年金改革と一体で進んだ話なのですけれども、特別会計を一気に減らして、できるものならより主体性のある独立行政法人化をしたり、株式会社化したり、そういうことをしたのですね。それとかまた、特別会計を合体したりもしましたけれども、そういうようなことが国のベースで行われたのですけれども、地方のベースで行われなかったのです。

遠藤;この勉強会が始まったことで、公営企業はいろいろな視点で見ないと分からないことが分かりました。日本は少子高齢化や急激な人口減少で縮小する道を進んでいます。これでは日本の先行きが末恐ろしいので、なんとか打開策を見出す必要があります。正確な情報を出して上下水道を将来に向けてどう構築するか、国民的な議論を巻き起こすことです。 
水道を自治体が行政事務として処理している限り、施設が老朽化する分、事業運営問題が深刻なるだけです。そのためにはこれらの事業を担う専門人材を継続的に育成していく体制を整える必要があります。使用料を原価に基づいて決めれば市民は関心を持つようになるので公営企業を経営する意義を感じるでしょう。
昭和20年代に現在の地方自治と財政、公営企業の制度をつくるとき、当時の政策立案者はこのようにならないように水道や下水道などの事業を公営企業として区分会計で管理するよう制度設計したのだと思います。しかし、現在の状態はそれとは逆で、根本的な転換が必要になっているように思います。この会もその点を深めていく点に存在意義があるのではないでしょうか。

詳細は、ぜひ、本文でお読みください。

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