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プラスチック管の市場


 インドネシアのプラスチック管および付属品市場調査報告(ken-research 社)という題名の内容のレポートが ResearchAndMarkets.comに発表された(資料72)。本レポートはインドネシアのプラスチック管・継手市場に関する包括的な分析を提供している。その内容は:
☆バリューチェーン分析、市場規模、管種類別(PVC,PE,ABS,PP,PVDF)及びエンドユーザー別(水道、灌漑、下水道、鉱業、ケーブル保護、ガス・消防設備等)の市場の状況、成長の要因と制約条件、主要な規制、将来展望とインドネシアにおける各企業の競合状態などについて記述している。
☆業界の動向と、将来の変化を見据えた成長の見通しを明らかにしている。
☆また、製造業者、小売業者および政府、業界団体及び関係者が将来の市場動向に沿
う戦略の立案の参考となる。

1.インドネシアのプラスチック管および付属品市場
市場は、公共および民間部門のインフラや農業部門の投資により成長段階にある。
年平均成長率;4.3%(2012年〜2018年)

2.管種別の状況
○PVC 管;最も広く使用、軽くて丈夫、強度があり腐食しにくい。
地下鉄や高架道路の建設等、政府のプロジェクトにより、国内の塩ビ管の需要が増大。
○PE 管;製造に技術力が必要→製造業者は限定的。
HDPE→上下水道等で広く使用、PE 管で最も一般的に使用。
○他の管種;ポリプロピレン、ABS、およびポリビニリデン
生産量は少ないが、一般に国内の下水道および排水管路で使用。

3.PVC 管および付属品状況;
○uPVC(無可塑塩ビ)管;敷設が容易、大きい流速で使用でき、最も使用されている。
○CPVC(耐熱性塩ビ)管;優れた耐熱性と耐薬品性を持つが、市場でシェアは小さい。
○PVC-O 管;比較的新しい製品、他の PVC と比較してエネルギー効率と強度が高い
○市場構造:市場は統制が取れている。
大手メーカー;PT Wahana Duta Jaya Rucika、Vinilon Group、Unilon、PTLanggeng Makmur Industri Tbk など。
インドネシアでは輸入の割合が大きく、主に中国と日本から。輸出は、日本と韓国。

4.PE管と付属部材
○HD(高密度)PE 管;最も一般的に使用されている PE 管、上下水道に広く使用。
○MD(中密度)PE 管;HDPE 管より高い応力亀裂抵抗を有し、室温で非常に安定。
○LD(低密度)PE 管;電気絶縁用に最も一般的に使用されている管→優れた電気的特性と各種化学物質に対する強い耐薬品性を有する。→ケーブル保護などに使用。

5.最終用途;PVC と PE は、水道および灌漑分野において一般的に使用。
☆下水道、排水設備の増加;人口の増大と衛生意識の向上による。
○UPVC、CPVC 管;軽量で延性があり、敷設が簡単、下水道に使用。
○CPVC と MDPE;工業用及び鉱業用

6.プラスチック管と付属品市場の競争状況
国内外の 25-30 社が緩やかな棲み分けの下に健全な競争を行っており、マーケティング、プロモーション、及びエンドユーザーとのやり取りを通じて、ブランドの確立と販売店ネットワークの拡大を図っている。
中小企業は、大規模生産のための資源を持たず、主に PVC 製品を製造。

7.プラスチック管と付属品市場の将来予測
年平均成長率 5.4%;2018年〜2023年予測;政府および民間部門によるインフラ部門への投資の急増と、人口増加にともなう住宅施設の需要の増大による。

8.その他
○世界銀行からの融資;
全国都市給水プロジェクト(600 万人の上下水道普及)に対して 1 億USD を融資。中央政府は 2019 年末までに安全な水を供給するために40 の地方自治体と水道事業体に投資を振り分ける。
○上水道;世帯の 72%が改善された飲料水源を利用。
その割合はバリ島で最も高く(90.85%)、パプアで最も低い(59.09%)
○下水道;人口の 67.89%が衛生設備を利用しているが 5,100 万人が利用できず(2017年)。
○政府プロジェクト(農村灌漑等、2017 年開始、推定費用は約 5,530 万ドル);
プラスチック管・付属品の灌漑分野での需要を促進。
○PE 管の利用範囲の拡大等により、PVC 管からの転換に注目。
○バイオプラスチックは市場に参入し、かなりのシェアを獲得すると期待。

2023 年までのインドネシアのプラスチック管・継手市場の見通し(資料107):
PVC、PE、ABS、PP および PVDF 管の分析
市場概況
インドネシアのプラスチック管・継手市場は成長段階。
市場は 2012-2018年(P)から 1 桁の年平均成長率(CAGR)を記録。
公共および民間部門によるインフラ、農業プロジェクトへの多額の投資により、継続的に拡大。
今後の予測
2018年~2023年、1 桁のプラスの CAGR での増加を予想。
政府および民間部門によるインフラセクターの投資の急増による
要因;人口増加による住宅施設の需要増加。
分野別の動向
○プラスチック管・継手:
PVC 管;最も広く使用→高速輸送機関及び高架道路の建設等政府プロジェクトによる需要が多い。
PE 管;技術知識が必要なため、すべての会社が製造しているわけではない。
HDPE;水道管、下水管などで広く使用。
他のプラスチック管(ポリプロピレン、ABS、ポリビニリデン)は少量生産され、下水道道で一般的に使用。
○PVC 管・継手;
uPVC 管(硬質塩ビ管);最も一般的に使用される PVC 管。
CPVC(塩素化塩化ビニル管);優れた耐熱性と耐薬品性を持ち、市場で中程度のシェア。
PVC-O 管;他の PVC と比較すると、エネルギー効率が良く、使用量が少量で済む。
○PVC 管・継手の市場構造;
主要メーカー;PT Wahana Duta Jaya Rucika、Vinilon Group、Unilon、
および PT Langgeng Makmur Industri Tbk。
輸入元;中国と日本、輸出先;日本と韓国。
○PE 管・継手;
HDPE 管(高密度 PE 管);最も一般的に使用される PE 管、上下水道で広く使用。
MDPE 管(中密度 PE 管);HDPE 管よりも耐応力亀裂性が高く、室温で非常に安定。
LDPE 管(低密度 PE 管);電気絶縁用として最も一般的に使用される管。
絶縁性とさまざまな化学物質に対する強い耐性を有する。
○最終用途別;
PVC&PE タイプ;水道と灌漑によく使用。
人口増加と公衆衛生意識の向上により、下水/排水システムの需要増加。
uPVC や CPVC などの PVC 管;軽量で延性があり敷設が容易なため、
一般的に下水道に使用。
CPVC および MDPE;工業および鉱業用途にも使用される。
LDPE 等のプラスチック管;優れた電気特性のため、ケーブル保護などに使用。
生産企業の状況;
インドネシアのプラスチック管と継手の製造会社→約 25?30 社により、適度に細分化。国内、海外メーカーの間で健全な競争。
中小企業は未組織セクターの市場で事業を展開、一般に PVC 製品を製造。
本報告で言及された企業;
GF Piping Systems Ltd.
Maspion Kencana
Pralon
PT Bangun Indopralon Sukses
PT Indopipe
PT Langgeng Makmur Industri Tbk.
PT Wahana Duta Jaya Rucika
Unilon
Vinilon Group

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資料107: Indonesia Plastic Pipes & Fittings Market Outlook to 2023: Analysis onPVC, PE, ABS,PP & PVDF Pipes、2019年11月、20191102W.pdf

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